『家系ラーメンの魔力』

私は人生の大半を横浜市で過ごしました。横浜は家系ラーメンの発祥の地です。家系ラーメンとは、豚骨醤油ベースのスープと太いストレート麺を特徴とするラーメンで、このラーメンを出す店の屋号に「家」がつくことが多いことから、家系ラーメンと呼ばれています。

10代の頃は、頻繁に家系ラーメンを食べていました。中でも家系ラーメンの元祖である「吉村家」がお気に入りで、学校の帰りや遊んだ後に友人としょっちゅう通っていました。私の青春の思い出には家系ラーメンが欠かせません。

家系ラーメンは、味の濃さ、油の量、麺の硬さをお好みで注文できます。10代の頃は「味濃いめ、油多め、麺硬め」の大盛りをペロリと食べたものでした。さらにそれにライスをつけたりもしていました。恐るべきほどの炭水化物の摂取量です。もし今同じような食べ方をしたら、胃が重くなってしまって苦しむことが避けられません。もう今の自分にはかつてのような食べっぷりはなく、あの頃に比べると食が細くなったものだとしみじみします。

とはいえ、あのこってりとした味には今でも惹かれます。時々無性に食べたくなってしまうのです。今は「味普通、油普通、麺硬め」の普通盛りか中盛りがちょうど良い具合です。家系ラーメンには私を吸い寄せる魔力があります。

昔に比べて代謝が落ち、簡単に太るようになった今の年齢では、10代の頃の頻度で家系ラーメンを食べていては健康診断の結果を悪しきものにすることでしょう。しかし、魔力に抗いきることは出来そうにありませんし、なにより好きな食べ物を食べる時間は幸せです。今後もたまには魔力に喜んで屈していくことと思います。

【弁護士 岩坂康佑】