『合格発表日その1』弁護士 林裕介

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 司法試験の合格発表は,午後4時から,霞が関にある法務省前の掲示板に,受験番号が張り出される形で行われます。また同時刻にインターネット上からも,合格者の受験番号を見ることができます。

 私は,掲示板に直接見に行く気にはなかなかならず,かといって,自宅のパソコンのインターネットで1人静かに確認するのもどうかと思いました。発表日当日も朝から警備員のアルバイトを入れていたということもあり,アルバイトが終わってから,同じく仕事上がりの同僚が残っている控室で,携帯電話を使ってインターネット上の発表を見ようと思っていました。

 発表の当日は,朝から陰鬱な気持ちで働いていましたが,そうこうしているうちにその日のアルバイトも終わり,いよいよインターネットで合格者の受験番号が表示される時間の午後4時になりました。

 私は控室で,携帯電話をインターネットに繋ぎました。そして,法務省の合格者のページを開こうとしました。しかし,その当時,私の携帯はスマートフォンではなく,いわゆるガラケーでした。このため,合格発表のページをうまく表示することができませんでした。ページを開こうとしたときに,一旦は心臓のドキドキが最高潮に達したにもかかわらず,結局自分が合格しているのか落ちているのか確認できないということを知り,目の前が真っ暗になりました。

 そして,もういっそのこと法務省の掲示板を見に行ってやるか,というやけっぱちの気持ちになりました。
この続きは,「合格発表日その2」にてご紹介致します。