犯罪の被害に遭ったら

被害者参加制度について

刑事事件で、一定の犯罪の場合、被害者が刑事裁判に直接参加することができる制度です。

参加の申出ができるのは、

  1. 殺人、傷害などの故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
  2. 強制わいせつ、強制性交等などの罪
  3. 逮捕及び監禁の罪
  4. 略取、誘拐、人身売買の罪
  5. 2~4の犯罪行為を含む他の犯罪
  6. 過失運転致死傷などの罪
  7. 1~5の未遂罪

被害者、被害者の方が未成年者であれば法定代理人、または被害者の方が亡くなってしまった場合には、その配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の方です。

裁判所から刑事裁判への参加する許可を受けたら、犯罪被害者などは被害者参加人と呼ばれることになります。
被害者参加人になるためには、検察官を通じて、裁判所に対し、刑事裁判への参加を申し出ます。

被害者参加人になると、

  1. 公判期日に出席すること
  2. 検察官の権限行使に関し、意見を述べ、説明を受けること
  3. 証人に尋問をすること(情状に関する事項)
  4. 被告人に質問をすること
  5. 事実関係や法律の適用について意見を陳述すること

ができるようになります。

被害者参加人は、刑事裁判に参加するに当たり、上の1~5の行為を弁護士に委任することができます。このように被害者参加制度は、被害者の方やご遺族等の方が被害についての気持ちや事件についての意見を法廷で述べることができる制度です。
これにより、裁判が被害者の方やご遺族等の方の気持ちや意見をも踏まえた上で行われることになり、さらに、被告人に被害者の方やご遺族等の方の気持ちなどを直接聞く機会を与えることができます。
他方で、被害者の方やご遺族等の方が被告人の前で意見を述べたり、質問をしたりするのは、怖いと考える方が多いと思います。その場合は、弁護士に委任されることをお勧めします。
弁護士が被害者の方やご遺族等の方に代わって、被害についての気持ちや事件についての意見を法廷で述べたり、証人や被告人に質問することができます。

損害賠償命令制度について

そのほかに、損害賠償命令制度というものがあります。
これは、刑事事件を担当した裁判所が、有罪の言渡しをした後、引き続き民事事件の損害賠償請求についての審理も行い、加害者に損害の賠償を命じることができるという制度です。
損害賠償請求に関し、刑事手続の成果を利用するこの制度により、犯罪被害者の方が、刑事事件とは別の手続で民事訴訟を提起することに比べ、犯罪被害者の方の立証のご負担が軽減されることになりますし、早期に損害賠償請求事件も解決することができます。