『あまり知られていない「司法修習」』弁護士 林裕介
あまり知られてない(と思う)のですが,司法試験に合格しても,すぐに弁護士や裁判官になれるわけではありません。1年間,弁護士事務所,裁判官,検察庁において,実地研修をしなければなりません。これを司法修習といいます。何年か前に,「ビギナー」という司法修習生の生活を扱ったドラマがありましたが,ご記憶の方はおられますでしょうか。
この司法修習ですが,全国の都道府県で行われます。皆さんのお住まいの都道府県にも,必ずその年の司法修習生が,裁判所や弁護士事務所で研修をしています。
この司法修習ですが,9月の司法試験の合格発表義,11月の司法修習開始までの間に,最高裁の事務局に,自分の希望する修習地を第6希望まで提出します。この希望地ですが,かなり悩みます。実家から通うことのできる修習地にするか,単純に住んでみたいところ(沖縄や京都など)にするか,いろいろと考えます。
この修習地を決めるにあたってさらに悩ましいのは,修習の資金が,2011年から給料制から貸与制(要するに,借金です。)に変わってしまったことがあります。地方の修習地を選び,お金のかかるひとり暮らしの費用をすべて,借金で賄っていくのは,かなり勇気がいります。また,弁護士増加により就職活動がなかなか大変で,地方の修習地だと,都市部での就職活動をするうえで不利になってしまいます。これも,修習地を決めるにあたり,悩ましい事情です。
私も,この修習地について,かなり悩みました。
そして,結局私の修習地は,「盛岡」となりました。第6希望までの希望順位は,秘密です。
盛岡での司法修習生活については,また次回に譲りたいと思います。