『盛岡での修習3』弁護士 林裕介

hayashi0001.png

前回に引き続き,盛岡での司法修習について,ご紹介いたします。
盛岡は,ご存じのとおり,地震・津波による被災地である岩手県の県庁所在地です。盛岡市自体は海岸から距離のある内陸にあるため,津波の被害はありませんでした。このため,震災の翌年である2012年11月に修習の開始に伴い盛岡に移住した際には,震災の影響を即座に感じ取ることができませんでした。

しかし, 修習開始後,しばらくしてから,盛岡から車で2時間ほどの岩手沿岸部に行く機会がありました。この時はじめて,岩手における震災の爪痕を目の当たりにしました。津波の被害で廃墟となった建物が,未だに数多く残されていました。また,営業を再開しているお店の多くはプレハブの店舗でした。仮設住宅も,数多く設置されていました。このような街の様子を目にしたとき,やはり岩手は被災地なのだということを実感しました。

そしてこの岩手において,県内の弁護士は様々な被災者支援の活動をしていました。例えば,ある弁護士は,土日の休みの日を使い,沿岸の仮設住宅において自作の紙芝居を用い,住宅再建の法制度の説明をして回っていました。またある弁護士は,津波によって両親を亡くした震災孤児の支援に奮闘していました。

このように,被災地の方々のために奔走する弁護士の姿から,弁護士に必要な優しさや行動力を学びました。