『ジョン・ディクスン・カー』 弁護士 岩坂 康佑
私は古い推理小説を読むことが好きです。
不思議な出来事の真相を知るという体験をすることが好きな気質なためか、推理小説を読んでいるとあっという間に物語の世界に入り込んでしまいます。
古い推理小説とは、例えば、シャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルや、ポアロやミス・マープルでおなじみのアガサ・クリスティなどです。
中でも特に好きなのが、ジョン・ディクスン・カーという人の作品です。
カーは1906年生まれの米国人で、多数の推理小説を執筆し、世界中で大変な人気を誇りました。
我が国では江戸川乱歩や横溝正史がカーを好み、彼らの作品に影響を与えたともいわれています。
カーは密室殺人や怪奇現象のように見える犯罪を描いたことで特に有名で、「不可能犯罪の巨匠」や「密室の王者」と呼ばれることもあります。
不思議な出来事の真相を知るのが好きな私にはぴったりの作家というわけです。
カーは多作である一方、その作品をあまり書店や古本屋で見かけません。そのため、私もまだまだカーの作品を読み切ってはいません。
しかし、書店で手に入りやすく、絶対にお勧めの一作があります。
それは、「皇帝の嗅ぎ煙草入れ」という作品です。
あのクリスティがこれを読んで「脱帽した」と述べたといわれています。
内容のご紹介はあえてしません。ぜひお手に取っていただき、カー作品の面白さを味わっていただければと思います。