遺言について   弁護士林裕介

第1 遺言能力が問題となるケースのご相談が増えています

1 「遺言能力」とは

「遺言」については、皆様よくご存じかと思いますが、「遺言能力」についてはご存知でしょうか。「遺言能力」とは、簡単に言いますと、遺言を行う時点で、遺言を行う方(遺言者)自身が、その遺言の内容をご自身で理解することができる判断能力のことです。そして、この遺言能力がない状況下で作成されたことが明らかとなれば、その遺言は、無効なもの、つまり、ないものとして扱われ、相続人の方で遺産分割協議を行う必要が生じます。

近年、高齢化の進展とともに、認知症になられる方も増加しています。これに伴い、遺言者が亡くなった後、遺言能力が不十分な状況下で作成されたのではないか、として、ご相続人が遺言書を携えてご相談に来られることが増えています。

2 「遺言能力」の確認・検討方法

遺言能力の問題が表面化し、弁護士にご相談に来られる場合の多くは、既に、遺言者が亡くなっておられます。このため、当該遺言作成当時の遺言者の遺言能力の有無を確認するためには、過去に作成された以下のような資料等を取り寄せ、検討することとなります。

①医療機関での医療・看護記録

②介護施設での介護記録

③介護認定記録

その他、遺言の内容(内容の難易等)、合理性等をあわせて検討することとなります。

3 遺言の有効性についてお悩みの方

遺言能力や、それ以外の点から、作成された遺言の有効性についてお悩みをお持ちの方は、お気軽にご相談にお越しいただけますと幸いです。

 

第2 これから遺言書の作成を検討される方

遺言能力の点以外を含め、これから遺言書の作成にあたってお悩みをお持ちの方も当然、お気軽にご相談にお越しください。担当弁護士が、最良の方法をご一緒に検討いたします。

以上