浮世絵

5月、6月と続けて浮世絵の展覧会に出掛けました。今話題の蔦屋重三郎に焦点を当てたものと、5大浮世絵師の作品を展示したもので、どちらも見応えたっぷりで大満足でした。浮世絵が好きで時々観に行くのですが、今年はNHK大河ドラマの影響で浮世絵関連の催事やテレビ番組が多く、色々な作品が見られたり、新たな発見もあるので楽しみです。

浮世絵には肉筆画と版画があり、版画は量産出来る訳ですが、版元により作品に微妙に差が出るそうです。版元の指図の色が異なったり、色のグラデーションの有無、紙質など、同じ版木を使っても仕上がりに差が生まれます。そのため同じ図柄でも印象が変わるのを楽しむ事が出来ますし、その違いで刷られた年代が分かることもあるそうです。

明治になり、万博等で海外に広く知れ渡り、フランス印象派の画家達に大きな影響を与えた浮世絵ですが、その題材は庶民にとても身近なものでした。

人気役者の首絵、評判の花魁や町娘の美人画、江戸っ子が好んだ相撲の花形力士等、見ていると当時の娯楽や着物の流行、江戸庶民の暮らしぶりなどが垣間見えて興味深いです。また、北斎の「富嶽三十六景」や広重による名所の風景画は、旅行に行く余裕のない者にとっては単なる風景画以上の存在だったかもしれません。幕府の出版規制が厳しくなると、絵師も工夫を凝らして「判じ絵」が書き込まれるようになります。これは謎解きゲームの楽しみがあり、思わずクスッと笑ってしまいます。

これからも「べらぼう」を楽しみながら、面白そうなイベントがあれば、足を運びたいと思います。

事務局N