『司法試験の受験』弁護士 林裕介
司法試験は,毎年5月にあります。
試験科目としては,全部で8科目です。①憲法,②民法,③刑法,④商法,⑤行政法,⑥民事訴訟法,⑦刑事訴訟法,⑧選択科目(労働法/倒産法/知的財産法/経済法/環境法/租税法/国際公法/国際私法,この中から1科目選択)となります。多いと感じられるでしょうか,それとも意外と少ないと感じられるでしょうか。受験時代はあまり感じなかったですが,今このように列挙してみるだけでも大変だったので,試験科目は多めな気がします。
もちろん,これらは基礎的な法律ばかりですので,実務ではもっとたくさんの法律を勉強しなければなりません。ちなみに私は,⑧の選択科目については,労働法を選択しました。
試験の日程としては,5日間の長丁場です。試験1日目,2日目は論文式の試験です。論文式というのは,事例式の問題が出題され,それに対してA4で大体8ページの文章を書いて回答するというかたちの試験です。3日目は中日でお休み,4日目は再び論文式試験,そして最終日の5日目は,短答式の試験(マークシート式)となります。中日のお休みの過ごし方は人それぞれで,全く勉強をしないという人もいましたが,私の周りはみな,3日目,4日目に向けた勉強の総仕上げをしていました。
「司法試験の勉強は,六法全書の中身を全部覚えるのですか?」という質問をされることがありますが,そんなことは全くありません。むしろ,覚えていない法律の方が断然多いです。ですので,4日目の短答式試験以外の試験日には,受験生に1人1冊ずつ六法が貸与され,試験中これを適宜開いて参照しながら回答していきます。3日目の試験終了時には,この六法全書は持ち帰ることを許されます。厚さが10センチほどあり非常に重いのですが,非売品の六法なので,大半の受験生は持ち帰ります。
5日目の試験終了時には,どっと疲れが出ます。反面,開放感も,とても大きいです。合格発表は,その約4か月後の9月なので(結構待たされます。),受験生は,旅行に行ったり,アルバイトをしたり,他の資格試験の勉強をしたりして9月まで過ごします。
私の,試験終了から合格発表日までの生活は,また次回にご紹介します。
【弁護士 林裕介】