『子どもへの動機付け』弁護士 工藤猛

休校になった子ども達は、家で過ごす時間が大半を占めています。

自宅では、登校日に学校から配布された課題を各家庭で取り組むということになっているようです。しかし、家庭の環境は様々であり、課題の進捗状況も各家庭で異なります。

自宅で勉強できる子どももいれば、自宅で勉強できない子どももいます。また、最近はネット環境があれば、ネットに配信されている学習動画を見ることで勉強することができます。他方で、ネット環境がない家庭は、ネット配信されている学習動画をみることができません。これでは、学習の差が広がってしまいます。

ネット環境のない家庭があることを考えると、子ども1人にタブレット及び無料Wi-Fi1台を貸与すべきだと思います。

しかし、ネット環境が整っていたとしても勉強しない子どもは、勉強しないと思います。そのような場合には、子どもに勉強するよう動機付けをすることが大切になってきます。私は、以前、塾の講師をしていました。当時、私は、親に言われて塾に通う子ども達に、どのようして勉強に取り組む気持ちになってもらえるのかを常に考えていました。

私が実践していたことの1つは、とにかく「褒める!」ことです。塾に来たら褒めます。宿題をやってきたら褒めます。宿題を完全にやってこなくても、やってきた部分があれば褒めます。そうすれば、子ども達に、塾に行くことや宿題をやることが褒められるという嬉しい経験を積ませることができ、勉強をすることが楽しいものだという認識をもってもらうことができます。また、比較的簡単な問題から取り組ませ、問題が解けるという成功体験を積み上げ、問題を解くことの楽しさを経験してもらうようにしていました。

家庭内に置き換えるとどうでしょうか。机に座ったら褒めます。教科書を広げたらほめる。課題をやったらほめる。といった具合でしょうか。子どもも大人と同じで褒められて嫌な気持ちになる子どもはあまりいないと思います。そこで、褒め続けるのです。

他方で、「褒める」という方法は、中学2・3年生になると効果が薄れることもありました。この世代は「なんで、勉強をしなきゃいけないの?」とか「連立方程式やルートの計算は大人になって使わないでしょ?」と主張する子どもが増えました。

このように言われた私は、こう答えていました。「君たちには、無限の可能性がある。だから、いろいろな経験をしてもらいたい。勉強の中で嫌いなもの、好きなもの様々あると思う。中学生までは、自分にとって何が苦手で何が得意か判断するために幅広く勉強をする必要がある。」と、このように話すことで、勉強に取り組んでくれる子どもはいました。しかし、「それでもやらない!」という子どももいたことも事実です。「それでもやらない!」といった子どもには、勉強することの楽しさを経験してもらうために、褒めたり勉強ができるという経験を積み重ねるしかないと思います。

以上、私の経験で話をさせていただきました、もし子どもに対してどう勉強の動機付けをすればよいのか悩んでいる方は実践してみてください。

【弁護士 工藤猛】