ステップアンドゴーを訪問して思うこと

私は、弁護士会の貧困対策本部の子どもの貧困部会に所属しています。この部会の活動の一環として、川崎区にあります『ステップアンドゴー』という施設を訪問させていただく機会がありました。その施設は様々な理由により学校に行くことができない子ども(小学生から高校生年代)が過ごすことができる施設です。学校との連携もあり、この施設に通うことで出席扱いをしてもらえることもあるそうです。

この施設で子ども達を見ているスタッフは、元教員の方々です。

スタッフの方が大切にしていることは、子どもの自主性です。例えば、朝、「おはよう」と挨拶をしなければならない、中学3年生の子であれば、高校受験に向けて勉強しなさい、といった、「〜でなければならない」とか「〜しなさい」ということは言いません。子どもが行きたいと思う日や時間帯に施設に来て、やりたいことをやる。そして、好きな時に帰る。

スタッフの方は、必要があれば子ども達のサポートをするということで、子ども達の自主性を大切にしているそうです。

スタッフの方は、子どもたちが自主的に決め、自主的に行動を起こすということで、やり続けることができる、辞めないことができるということをおっしゃっていました。自分で決めたからこそ、継続することができるとの説明に、自分にも当てはまると思いました。

スタッフの方のお話を伺い思ったことは、今は、昔と違って学校に行かなければならないという時代ではないということです。確かに、学校へ行くことは大切なことだと思います。しかし、全ての子ども達が学校に行くことができるとは限りません。自身の体調のこと、家庭のこと様々な事情を抱えた子ども達が存在します。

そのような、子ども達が外に出て他人と関われる居場所が学校だけでなく、このような施設でも十分だと感じました。

子ども達にとって安心できる居場所が学校以外にも存在することを多くの人に知ってもらいたいと思いますし、このような居場所がたくさんできればよいと感じました。

弁護士 工藤猛