破産に関するご相談が増えています

昨今の経済活動の落ち込みを背景として、仕事を失い、収入が得られなくなった方々からご相談を受けることが多くなっています。コロナ禍において、国や自治体が実施する事業継続のための支援制度や生活を支える給付金、借入金の返済期限延長等の各種制度を活用することはひとつの有効な方法です。しかし、今後の経済活動の見通しを考え、事業継続が立ち行かない、家計の収支が回らないと感じたときは、破産手続の申立てを含め、早めに専門家に相談することをお勧めします。

「破産」という言葉を聞くと、漠然とした不安を感じてしまう方もいらっしゃると思います。法律事務所に来るまでになかなか勇気が出なかったという方もいます。でも、そのような心配はご無用です。たとえば、体調が優れない時、早い段階で病院を受診することで大事に至らず、回復する可能性が高まることをイメージしていただくとよいでしょう。毎月の返済が滞っているのに、誰にも相談できず、返済のためにさらに借入を増やしてしまうことは、解決にはつながりません。

破産手続の目的は、裁判所による公正な手続を経て残債務を免責し、債務者に経済生活の再出発を促すことにあります。裁判所で免責決定を得て、負債から解放され、生活を立て直しておられる方々から近況をお聞きする度に、このことを実感します。お困りの方はぜひお早目にご相談ください。

弁護士 松本 育子