戦争

ロシアのウクライナに対する侵攻が始まってから、もうすぐ1年が経ちます。戦後最悪の戦争といわれるこの出来事は、私たちに多くの恐るべき現実を突きつけ、多くの難題を考えさせます。

日本とウクライナは地理的には8000キロメートル以上離れています。しかし、核保有国によって武力を用いた現状変更がなされようとしているという事実からは、他人事だとして目を背けることができません。そこで、戦地や世界の状況をなんとか追いかけようとしますが、追えば追うほど疑問があふれかえり、出口の見当たらない密林に迷い込んだような心境になります。

国連人権高等弁務官事務所は、今月、開戦以降のウクライナの民間人の死者数は確認できただけで7000人を超えると発表しており、実際の死者数は「かなり多い」としています。兵士の死者数に関しては様々な推計がありますが、昨年の11月時点で両軍合わせて約20万人であるとする見解があります。ウクライナではインフラ設備に対する激しい攻撃を受けた結果、マイナス気温の中で停電や断水、通信障害に苦しむ国民が大勢いるという報道を目にします。

この戦争が一刻も早く終結すべきであるということは論を待たないはずです。しかし、どう終わらせるのかという難問が立ちはだかります。ロシアはもはや引き下がれないところまで戦争を進めてしまいましたし、ウクライナとて国土の東部や南部を占領されたままで降伏や休戦をするわけにもいきません。

とにかく、戦争を始めてはならないと考えざるを得ません。

日本では、昨年12月に、いわゆる安保関連3文書が閣議決定されました。私はこのうち2文書を読むことが出来ましたが、各種メディアで報道されているとおり、日本のこれまでの安全保障政策をとても大きく変える内容であることが読み取れます。これに対しては様々な評価がされていますが、冷静に、かつ、真剣に議論が尽くされるべきであると思います。

弁護士 岩坂 康佑