『司法試験合格発表日までの過ごし方』弁護士 林裕介

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前回は,司法試験終了までをご紹介しました。

司法試験の合格発表は,9月です。受験生はみな,試験終了の5月から9月まで,何をして過ごすか悩みます。

受験生の中には,その年不合格であった場合に備えて,翌年の受験勉強を開始するという強者もいますが,私はさすがにそういった気力が出ませんでした。とはいっても,不合格であった場合に自分の将来がどうなるか不安ではあったので,他の資格試験などの勉強をしていました。私は富山県出身なので富山県職員の公務員試験や,宅建,簿記などの勉強をしました。

また,お金も稼がなければならなかったので,アルバイトもしていました。何のアルバイトをするか,海の家での仕事やプールの監視員,居酒屋などいろいろと迷いましたが,最終的には,上野公園の美術館で開かれる,博覧会の警備員の仕事をすることにしました。警備員という仕事自体したことがなく興味がありましたし,博覧会というイベント設営のような要素もあったので,単純に,面白そうという理由で,この仕事に決めました。

博覧会の会場で警備員として立っていると,様々な客さんから様々な質問や要望が寄せられます。それに1つ1つ自分で考えて対応していくのは楽しかったです。夏の暑い時期には,外で博覧会への入場待ちで並んでいるお客さんが熱中症で倒れてしまったため,救急車を呼んで上野公園の入り口から会場の美術館まで誘導するといったこともありました。上野公園にはたくさんの歩行者がいるので,誘導が大変でした。また基本的に博覧会の展示品は撮影禁止なのですが,携帯で盗撮をしているお客さんを見つけてしまったり,泥酔したお客さんが入館してきたときには,対応するのが大変でした。

このように,アルバイトに熱中したり,ときたま資格の勉強をしているうちに,まだまだ先だと思っていた合格発表日の当日になってしまいました。
合格発表日については,次回にご紹介します。