養育費の支払いを受けるために検討すべきこと 弁護士工藤猛

約束していた養育費の支払いがされないことや養育費の支払いはあったけれど、途中で支払いがされなくなってしまったというケースは多いのではないでしょうか。

このような場合、あきらめずに弁護士にご相談ください。

ご相談をお受けした弁護士は、養育費の支払いを確保するために強制執行の手続きをとることができるか検討します。

強制執行の手続きで多く利用されるのは、給料の差押えだと思います。しかし、養育費の支払義務を負っている方(以下「債務者」といいます。)の勤務先がわからない場合や債務者の勤務先に差押えをしていたけれど、債務者が会社を辞めてしまい、差押えが終了してしまった場合にその後、債務者の新たな勤務先を探そうとしてもわからないということがあると思います。

このような場合、弁護士は、財産開示手続や第三者からの情報取得手続という制度を利用することを検討します。

財産開示手続は、債務者に裁判所に出頭してもらい、債務者自身に財産や勤務先について回答してもらう手続きです。債務者が正当な理由なく裁判所に出頭しなければ、刑罰が科される可能性があります。

債務者が出頭し、財産や勤務先について回答することで、その財産や勤務先に対し、差押えをすることができます。

もし債務者が財産開示手続に出頭しなかった場合には、第三者からの情報取得手続を利用することを検討します。この手続きでは、市区町村や日本年金機構など厚生年金を扱う団体が債務者の勤務先の情報を持っていれば、債務者の勤務先の情報を取得することができます。

このような手続きを通して開示された情報をもとに債務者の勤務先に対し、債務者の給与を差押えることになります。

このように、約束をしたけれど養育費の支払いがなされない場合、途中で養育費の支払いがされなくなってしまったという場合に利用することができる手続きはあります。

そのため、養育費の支払いがなされない場合には、あきらめず弁護士にご相談ください。