紙の本            弁護士 岩坂康佑

世の中の「読書離れ」が言われるようになって久しいですが、電子書籍の市場規模は右肩上がりで増加しているそうです。その一方で、紙の出版物の販売額は、年を追うごとに低下しています。スマートホンが普及し、様々なコンテンツが消費されるようになった現代では、かつてのように紙の出版物を販売していくことは簡単ではなさそうです。

しかし、私は紙の本に惹かれてしまいます。電子書籍に比べればあらゆる点で利便性に劣るのですが、どうしても紙の本を多く参照してしまいます。紙のページに指で触れてめくっていくことに、どこか安心感のようなものを覚えるのかもしれません。

私たちの業務では書籍を参照する機会が非常に多いのですが、仕事で使う書籍も、紙のものをよく利用しています。特に、参照する機会が多く手元に置いておくと安心できる書籍は、紙のものを持っておくようにしています。重要な箇所や必要な部分に線を引いたり、付箋を貼ったりするアナログな作業が、思考の整理を助けてくれます。

弊所には所員の共用の書籍がたくさん納められた本棚がありますが、そこに書籍が増えると、嬉しい気持ちになって、心の中でほくそ笑んでいます。本棚が充実していくと、様々な事案に対する隙が無くなっていくような、新しい武器が増えたような、そんな感覚があります。

また、文献調査のために霞ヶ関にある東京弁護士会・第二東京弁護士会合同図書館にお邪魔することがありますが、あらゆる書籍がズラリと並んだ光景は圧巻で、紙の本がたくさんあるということに少し心が躍ります。

今後も紙の本には長くお世話になっていくこととなりそうです。社会全体では徐々に需要が下がってきているかもしれませんが、生き残り続けてほしいと願っています。