『エラリー・クイーン』弁護士 岩坂康佑

「クイーンはアメリカのミステリそのものである」

アメリカの推理作家である、エラリー・クイーンはこのように評されています。推理小説の世界に様々な影響を与えた、アメリカを代表する大推理作家です。

代表的な作品として、「Yの悲劇」や、「災厄の街」、国名シリーズと呼ばれる作品群があります。「Yの悲劇」は日本人キャストで映画化されるなどしておりますので、ご存知の方も多いかもしれません。

クイーンは、フレデリック・ダネイ(1905年10月20日 – 1982年9月3日)とマンフレッド・ベニントン・リー(1905年1月11日 – 1971年4月3日)という二人の人物の合同のペンネームです。

二人は従兄弟同士で、物語を考えるのに長けたダネイがプロットを担当し、文章を書くのが得意なリーが執筆を行うという方法で、数々の作品を生み出してきました。

クイーンは、多数の推理物のラジオドラマも手がけました。また、『ミステリーリーグ』や『エラリー・クイーン・ミステリーマガジン』といった雑誌の発刊も手がけ、数々の作家を発掘し、推理小説の発展に大きく寄与しました。

さらに、古今東西の推理作品をかき集め、アンソロジーを編纂することにも尽力しました。アンソロジーの中には、文学家たちの作品を収録したものや、女性が犯罪の中心にいるものばかりを集めたもの、超短編ともいうべき短い作品ばかりを収録したもの、完全犯罪のお話ばかりを収録したものなどがあります。

このように、クイーンは大変手広くミステリーの世界に関わっています。クイーンがいかにミステリーを愛していたかがうかがえます。

別コラムにて、そんなクイーンが執筆した作品の特徴などをご紹介できればと思います。

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