今年は性教育です。

今年も神奈川県世界女性デーの実行委員長を拝命しました。毎年、世界女性デーの話を書いているのですが、ちょうど時期的に原稿の順番がまわってくるので、ご容赦ください。

さて、今年の神奈川県世界女性デーは、「性教育」について学習します。
性教育というと、第二次性徴など性に関わる心身の発達や、出産や妊娠および性交、性感染症予防に関する知識を教育するものと思われているかと思います。
もちろん、セックスに関する正しい知識は必要です。
でも、今、世界的に、性教育は人権教育と言われています。
ユネスコを筆頭に複数の国連機関が協働し、国際セクシュアリティ教育テクニカルガイダンスが作成されたのが2009年。そして、2018年 改訂版が作られ、包括的セクシャリティ教育(CSE)という考え方が生まれました。
今、性教育とは、性指向や性自認などの精神面、性的マイノリティ差別やアウティングなどの社会面、虐待・犯罪に関わる人権、法律面など多岐に及ぶものとされています。
性教育という学科だけが独立して存在するのではなく、生命科学、倫理公民、地理歴史、国語など、各教科で横断的に取り上げられる必要があるのです。
フランスでは、3歳から性教育があります。といってもセックスについて教えるわけではありません。
「あなたの体はとても大切なもの。特に水着に隠れる部分は誰も見たり触ったりしてはいけない。そうする人はおかしい。そんなことになったらその場から逃げるか、大きな声で叫ぶこと。」
ということを教えるのです。性的に成熟していなくとも、性的な被害を受けることはあり得るのですから、大切な教育です。
日本では、まだまだ足りていない部分だと思います。
性教育をすると好奇心という寝た子を起こすことになって、初体験が早くなると言ってバッシングする意見がありますが、間違いです。性教育をすることで正しい知識(避妊、妊娠、堕胎など)を得ることで行動は慎重になるのです。なにより、ネット環境の充実によって性情報はあふれています。半端な知識、誤った知識が植え付けられてしまう恐れが多いのです。正しい知識を教えなければ偏頗な知識に沿った誤った性行動を取ってしまう可能性があるのです。

ところで、性教育を受けたこと、ありますか?
私は、5年生の時に女子だけが別室に集められて月経教育を受けただけです。男子は図工の授業だったと思います。まったく性教育を受けていないと言っても過言ではありません。みなさんは、いかがでしょうか?
神奈川県世界女性デーでは、3月6日午後2時から、かまくら・江の島障害児教育研修・相談ルーム主宰の、間賀田清子先生をお招きして、実際の性教育の授業をしていただきます。
一緒に性教育を受けてみませんか?
弁護士 湯山 薫