「結婚の自由をすべての人に」東京2次訴訟、尋問期日のお知らせ 弁護士 藤井啓輔

1 「結婚の自由をすべての人に」訴訟と東京2次訴訟尋問期日について

今回のコラムでは、私が弁護団に所属している「結婚の自由をすべての人に」東京2次訴訟(所謂「同性婚」訴訟)の尋問期日についてご案内をします。

本訴訟は、現行の民法・戸籍法のもとでは結婚をすることができないとされている性的マイノリティの方々が原告となり、現行の民法・戸籍法上の結婚(婚姻)に関する規程の憲法適合性を争っている訴訟です。

今回行われる東京2次訴訟の尋問期日は、今年の11月30日(木曜日)の10時半から丸一日かけて実施され、8人の原告の皆さん全員への原告本人尋問が行われる他、ある原告の方のご家族1名からの証人尋問が行われる予定です。

これまでの多くの訴訟期日でも、原告の皆さんは意見陳述というかたちで、これまでの半生やこの訴訟にかける思い、この訴訟の審理を行う裁判所に望むことなどをお話しして頂いてきましたが、今回行われる尋問期日において原告の皆さんや証人である原告さんのご家族がお話しされる内容は、この訴訟における証拠として、裁判所が判決において事実を認定する際の材料になるという点が、意見陳述と尋問手続における証言の最大の違いです。

2 全国で争われている「結婚の自由をすべての人に」訴訟の成果と課題

全国で争われている「結婚の自由をすべての人に」訴訟は、これまで、札幌・大阪・東京(こちらは、東京の1次訴訟)・名古屋・福岡の地方裁判所で判決が出ており、5つの地方裁判所の判決のうち、4つの判決が、憲法違反の判断を示しています。

法律の憲法違反が争われている集団訴訟において、地裁判決の段階で5つ中4つの判決で憲法違反の判断が示されることは異例と評価するべきものです。

そのような異例の違憲判決ラッシュは、それだけ、法律上の同性カップルが婚姻制度から排除され、パートナーやパートナーのお子さんと法律上の家族になることができない状態に置かれてしまっていることが、同性愛者やトランスジェンダーなどの性的マイノリティの方々に対する憲法上の権利や個人の人格的な生存に不可欠な利益への侵害・制約が深刻であることの顕れといえます。

もっとも、これまで4つの地裁判決で示されてきた憲法違反の判断は、いずれも、現行の婚姻制度に法律上同性のカップルを包摂する以外に、法律上同性のカップルが法的に家族になることのできる別の制度を創設することでも憲法違反の状態を解消できる余地を残しています。

しかし、この訴訟の原告の皆さんは、「性的マジョリティが利用しているものと同じ制度を利用できないことが、差別であり、性的マイノリティの憲法上の権利を侵害している」と訴えているのであり、例えば、①法律上の家族にはなれても法的効果において不合理な違いが生じる別制度や、②法的効果において不合理な違いがなく、それ故に現行の「婚姻」かかわらず名称だけが「結婚(婚姻)」とは異なる別制度を創設することは、憲法違反の状態を解消する方法にはなりません。

3 尋問期日への意気込み

現在、原告団・弁護団は、結婚制度から排除されてきたことに伴って受けた様々な不利益や個人の尊厳への毀損を明らかにすると共に、「別制度ではなく婚姻制度へ包摂することでしか、憲法違反の状態を解消することはできない」ということをも裁判所に明らかにする為に、尋問のリハーサルと尋問事項の練り直しを行い、急ピッチで準備を進めているところです。

是非、11月30日の尋問期日にご注目頂くと共に、お時間の許す限り、傍聴を頂けますと幸いです。

以上