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小規模個人再生手続について、よくあるご質問にお答えします。 弁護士 松本育子2025年12月17日

働いて一定の収入を得ているものの、借入金の返済があり、家計が苦しいというご相談を受けるケースが増えています。カードローンや住宅ローンの返済が厳しいので、このままでは自宅を手放さなければならないのではないかと不安を抱えて相談に来られる方もいます。今日は、こうした場合に活用しうる小規模個人再生手続について、よくあるご質問にお答えします。

Q1 私は、契約社員として働いていますが、大丈夫でしょうか。

A2 契約社員やアルバイトの方でも、同じ勤務先に継続して勤務して収入を得ており、将来も毎月一定の収入が得られる見通しがあれば、検討が可能です。

Q2 小規模個人再生手続では、債務が減額されると聞いたのですが、どのくらい減額してもらえるのでしょうか。

A2 最低弁済額の目安としては、債務の総額が、①100万円から500万円までの方は100万円を返済、②500万円から1500万円までの方は債権総額の20%を返済することになります。ただし、最低弁済額は、再生債務者の財産額(清算価値)を上回る必要があります。

Q3 任意整理と再生手続のどちらがよいのか、迷っています。

A3 任意整理では、個別に交渉することができるメリットはあるものの、多くの場合、上記A2記載した内容ほどの債務の減額は、見込むことができません。

小規模個人再生手続は、裁判所に申し立てて行う制度ですので、安心して利用することができ、債務の減額幅も非常に大きいため、無理なく生活の再建を図ることができるというメリットがあります。ただ、裁判所に提出する資料の収集や、弁護士との打ち合わせにご協力いただくことが必要です。

Q4 破産でもよいのではないかと思ってしまいます。

A4 まず、破産は「支払不能」、再生は「破産手続開始原因となる事実の生ずるおそれがあるとき」という要件の違いがあります。また、破産手続では、浪費、賭博等により著しい財産減少または過大な債務負担があった場合、免責不許可事由該当性が問題となりえます。また、破産手続により資格制限がかかる職業の方には、個人再生手続が適切です。

Q5 自宅マンションを手放さず、個人再生ができるのでしょうか。

A5 住宅を所有する個人が、生活の本拠である自宅住宅をそのまま維持できるようにするため、住宅資金特別条項を定める個人再生手続が認められています。法律が定める要件に該当するかどうかについては、個別にご相談ください。

~当事務所では、小規模個人再生手続、給与所得者等再生手続に数多くの実績、経験を有しております。債務整理は初回相談を無料としておりますので、ぜひ弁護士にご相談ください。

以上

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